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死後の手続きの負担を軽くしてあげたい方

相談
髙橋太郎さん(70歳)には子がなく、妻の実家の近くで、妻と二人きりで生活をしてきました。髙橋太郎さんは3人兄弟の長男ですが、二人の弟とは、父親の相続の際にもめ、それ以来、絶縁状態が続いています。

先日髙橋太郎さんが参加した相続セミナーで髙橋太郎さんが亡くなった場合には、妻だけでなく、二人の兄弟も相続人になることを知り、自分が亡くなった後、妻が自分の兄弟と遺産の分け方で揉めるのではと心配するようになりました。

幸い、髙橋太郎さんは、投資用マンションや株式など多くの資産を保有していることもあり、妻が今後生活をする上で金銭的には困らないと考えています。また、髙橋太郎さんは、妻の妹の子(姪)には病院の送り迎えをしてもらうなど、大変世話になっているので、何か、お礼をしたいと考えています。また、髙橋太郎さんの妻は、今のところ健康状態に問題はありませんが、高齢のため、法律的な手続きを一人で行うのは大変だと考えています。
提案

髙橋太郎さんには、次のような遺言を書くことを提案しました。
①髙橋太郎さんの財産のうち、投資用マンションは姪に遺贈すること。
②投資用マンション以外の財産の全てを妻に相続させること。
③相続手続きを行う遺言執行者に司法書士を指定すること。

 
髙橋太郎さんの妻が、法定相続人である髙橋太郎さんの兄弟に対し、遺言を作成した事情を説明し、遺言書のとおりに、遺産を分けることは難しく、また髙橋太郎さんの妻は、高齢のため、不動産や金融資産の名義変更の手続きをひとりで行うことは難しいだろうと、遺言執行者には、専門家を指定することを勧めました。
 
専門家を遺言執行者に指定しておけば、髙橋太郎さんが亡くなったあと、髙橋太郎さんの兄弟に対する連絡や、金融資産の名義変更、投資用マンションの名義変更は、遺言執行者に任せておけばよく、髙橋太郎さんの妻が行う相続手続きは、大幅に軽減されます。
 
遺言を書いてから約3年後、髙橋太郎さんは亡くなりました。髙橋太郎さんの妻は遺言執行者の指定を受けている司法書士に連絡をとり、その司法書士が遺言執行者に就任したため、髙橋太郎さんの妻は相続手続きの矢面に立つことなく、無事に預貯金の解約や投資用マンションの名義変更をすることができました。髙橋太郎さんが兄弟と不仲だったために迷惑をかけまいと遺言書を用意してくれていた髙橋太郎さんに対して、いつまでも感謝していました。
 

遺言サンプル

①遺言者は、遺言者の姪小林花(昭和〇〇年〇月〇日生)に次の区分建物を遺贈する。
(一棟の建物の表示)
 所在 〇〇市○○町1丁目1番地21  建物の名称 〇〇マンション
(専有部分の建物の表示)
家屋番号 〇〇番〇〇 建物の名称 〇〇号 種類 居宅 構造 鉄骨造1階建て 床面積〇〇.〇〇㎡
(敷地権の目的たる土地の表示)
土地の符号1 所在及び地番 〇〇市〇〇町1丁目1番21 地目 宅地 地積 〇〇.〇〇㎡
(敷地権の表示)
土地の符号1 敷地権の種類 所有権 敷地権の割合 〇〇〇〇〇分の〇〇
 
②遺言者は、第1項記載の財産以外のすべての財産を妻髙橋花子(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。
 
③遺言者は、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
  埼玉県川越市脇田本町〇番〇号
  司法書士 ○○〇〇
  昭和〇〇年〇月〇日

解説

遺言は、財産の分け方さえ決めておけば一安心というわけではありません。いざ相続が開始したときに、その遺言を実現することまで考えておかねばなりません。特に自筆証書遺言では、遺言書の中で遺言執行者を定めていないケースが多く、この場合、家庭裁判所における検認手続がなされた後に、さらにその家庭裁判所で、遺言執行者選任の申立てをしなければなりません。そうならないためにも、遺言書の中で、遺言執行者を定め、相続発生後の具体的な手続方法までしっかり定めておくことが肝心です。

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