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遺言を考えるにあたって②

遺言を考えるにあたって①」 では、推定相続人を把握することの重要性を説明致しました。今回は引き続き、遺言を考えるにあたって重要となる「財産の把握」について説明してまいります。

■財産を把握しよう

財産として代表的なものは、不動産(土地・建物・マンションなど)、預貯金(普通預金・定期預金・ゆうちょ貯金など)、株、投資信託、自動車などでしょう。これらご自身の財産を金額まで正確に把握されている方は、意外と多くないのではないでしょうか。また、性質が少し異なりますが、ご自身が加入されている生命保険であったり、住宅ローンなどの借入れについても正確に把握しておくことが大切です。財産を正確に把握しないまま遺言を作成してしまうと、財産に漏れが生じたり、公平に分配したはずが公平ではなかったりといった事態を招いてしまうおそれがあります。それでは、財産ごとに把握の仕方を見ていきましょう。

不動産について

まずは土地です。意外と知られていないのが、土地の「地番」と「住所」はイコールではないということです。「地番」と「住所」が一致している地域もあれば、まったく異なっている地域もあります。「住所」を把握しているからといって、土地を把握していることにはなりません。

 

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土地には土地ごとに番号が付されており、これを「地番」と言います。これに対して「住所」とは、「住む所」と書くとおり、基本的には建物に付されているものです。元々、「地番」と「住所」は一致していましたが、町を分かりやすくしたり、郵便物を配達しやすくすることを目的として「住居表示」という制度が導入され、導入された地域では「地番」とはまったく異なる「住居表示」という番号が「住所」とされることになりました。具体的には、「○丁目○番○号」と表記する地域は住居表示が実施されており、「○丁目○番地○」と表記する地域は住居表示が未実施であることが通例です(※地域により取扱いが異なります)。

 

前置きが長くなりましたが、土地を特定するには「住所」だけでは足りず、「地番」まで確認する必要があります。地番をもっとも確実かつ簡易に確認する方法は、毎年届く固定資産税・都市計画税の納税通知書を見ることです。納税通知書には、課税明細書というページがあり、このページには土地の地番や評価額まで記載してありますので、とても大切な資料となります。また、公道に面していない奥まった建物を所有している場合、その底地に接する道路を「私道」として近隣の方々で共有していることがあります。この「私道」についても忘れずに確認する必要があります。

 

続いて、建物を特定するには同様に「住所」だけでは足りず、建物ごとに付された「家屋番号」まで確認する必要があります。これについても前述の課税明細書に記載されております。

 

あ!税金払ったからもう納税通知書は捨てちゃったわ!という方、ご安心ください。他にも土地・建物を特定する方法はあります。

 

まず、土地・建物を取得した際の権利証を確認する方法です。権利証を見れば、土地の地番や建物の家屋番号まで正確に記載してあります。ただし、かなり昔に取得した土地や建物の場合、地番、家屋番号や地域の名称などに変更が生じている可能性もありますので注意が必要です。権利証とあわせて「名寄帳(なよせちょう)」という書類を取り寄せて確認すると、より確実に確認できます。名寄帳は、前述の納税通知書を発行している役所(資産税課など)にて発行を受けることができます。記載されている情報は課税明細書とほぼ同様です。

 

納税通知書、権利証、名寄帳などにより、土地の地番や建物の家屋番号が特定できたら、法務局で登記簿(正式には「登記事項証明書」と言います)と公図を取得するとよいでしょう。登記簿により、現在の所有者や銀行の担保権の有無などを確認できます。また、公図により土地の形状や位置関係が確認できます。ここまで行えれば不動産の把握としては十分です。

預貯金について

預貯金は、手元の通帳にて「銀行名」「支店名」「種別」「口座番号」「残高」などを確認するとよいでしょう。定期預貯金の場合、「満期」や「利息」を確認したり、通帳ではなく証書が発行されていることもありますので、漏れなく確認しましょう。

株、投資信託について 

株は、未上場株と上場株で確認方法が異なります。未上場株の場合、株券が発行されていれば株券にて確認します。株券が発行されていない場合には、会社から交付を受けた資料をすべて確認し、ご自身が保有している株数が記載された資料を探すしかありません。これが見付からなければ、会社に問い合わせて資料を取り寄せるとよいでしょう。上場株の場合、通常は証券会社や信託銀行にて株を管理しており、定期的に報告書が送られてきますので、その報告書で確認することができます。送られてきていない場合や捨ててしまったという場合には、管理している証券会社等に問い合わせるとよいでしょう。また、投資信託についても上場株と同様に定期的に送られてくる報告書で確認することができます。

自動車について 

自動車は車種名だけでなく、手元の車検証にて「車両番号」「車台番号」「車名」などを確認するとよいでしょう。自動車の価値は車種名や走行距離が大きな影響を及ぼします。気軽に相談できる自動車ディーラーの方がいれば、現時点でのざっくりとした価値を教えてもらうと参考になります。

生命保険について 

生命保険は、相続人の方々にとって大事な権利のひとつです。まずは保険証券にて「契約者」「被保険者」「受取人」を確認しましょう。また、掛捨型なのか、積立型なのか(満期はいつか)なども確認しておきましょう。生命保険により支払われる死亡保険金は、遺産分割の対象となる財産ではなく、受取人と定められた方の固有財産と言われております。そのため、ご自身が加入している生命保険により、ご自身の死亡時に「誰に」「いくら」支払われるかを正確に把握し、それを踏まえた遺言内容にしておかないと、相続人間に感情のもつれを生じさせてしまうこともあります。

借入れについて

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住宅ローンなどの借入れはマイナスの財産(負の財産)と呼ばれるように、人の死亡とともにその相続人に引き継がれる財産のひとつです。プラスの財産(正の財産)よりマイナスの財産の方が多ければ、相続人は相続放棄を選択しなければならない状況となります。借入れがある方は、遺された家族に多大な負担を掛けぬよう返済計画につき定期的に見直す機会をもちましょう。家族に内緒の借入れがあるなど、もってのほかです。遺された家族を路頭に迷わせる危険性もありますので、内緒の借入れがある方は、早いうちに家族に話しておいてください。なお、クレジットカードを利用したショッピングも借入れの一種です。あまり多額にならないように注意し、必要以上にカードの枚数を増やさないようにしましょう。

 

すべての財産を正確に把握しないと遺言が作成できない、というわけではありませんが、いったんご自身の財産を棚卸しする良い機会にもなります。また、ご自身の財産の在り処をちゃんと分かるように示しておいてあげないと、もしかするとご自身が亡くなったときに、誰にも発見されない隠れ財産となってしまうかもしれません。せっかく遺した財産なのに。そうならないよう、できる限り正確に財産を把握し、把握した財産をまとめておくという作業はとても大切です。書店で売っているエンディングノートを活用してもよいかもしれませんね。

 

ここまで、推定相続人の把握と財産の把握について説明してまいりました。次のテーマは、遺言を考えるにあたって最後のテーマとなる「家族関係の把握」です。ぜひご覧ください。

 

(執筆担当:司法書士 脇 博喜

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