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6遺留分について

ここまで説明したとおり、遺言書を作成すれば、法定相続分と異なった割合での相続や、法定相続人以外の者に全財産を遺贈することもできます。
 
しかし、それでは残された家族が住む家を失い、生活もできなくなるという事態も起こり得ます。こうした、あまりにも相続人に不利益・不公平な事態を防ぐため、遺産の一定割合の取得を相続人に保障する『遺留分(いりゅうぶん)』という制度があります。
 
遺留分はそれぞれの相続人(兄弟姉妹をのぞく)に定められており、遺言をもってしても侵害できないものと民法で定められています。
 

事例

被相続人には、妻と子ども2人(長男・次男)がいて、被相続人が、その遺産を長男にすべて遺言によってあげてしまったといったケースです。
この場合、本来であれば遺産を相続するはずであった、妻と次男には、奪うことのできない遺留分があります。
ではその割合とはどの程度のものなのでしょうか。

遺留分の割合
直系尊属のみが相続人である場合 法定相続分の1/3
その他の場合 法定相続分の1/2

 

その他の場合とは
  • 配偶者のみが相続人・・・配偶者が2分の1。
  • 子のみが相続人・・・子が2分の1。
  • 子と配偶者が相続人・・・子が4分の1、配偶者が4分の1。
  • 父母と配偶者が相続人・・・配偶者が3分の1、父母が6分の1。
  • 兄弟姉妹と配偶者が相続人・・・配偶者が2分の1、兄弟姉妹は遺留分なし。
  • 兄弟姉妹のみが相続人・・・兄弟姉妹には遺留分なし。

遺留分権利者

相続人である配偶者、相続人である子(または代襲相続人)、相続人である直系尊属(父・母・祖父・祖母)です。兄弟姉妹には遺留分は認められません。
つまり、子がある場合には、兄弟姉妹と直系尊属(父・母・祖父・祖母)には遺留分はありません。

 

遺留分の算定の基礎となる財産(遺産総額)

亡くなったときに有した財産 + 贈与 - 債務 = 遺産総額

(被相続人が相続開始の時に有した財産) (生前贈与) (借金など)
 

被相続人が相続開始の時に有した財産
被相続人がもっていたプラスの財産がすべて該当します。
 

贈与
相続開始前1年間(死亡前1年間)にされた贈与が対象となります。
ただし、贈与をあげる側ともらう側の両方が、相続人の遺留分が確保できないと知っていながら贈与をすると、相続開始前1年前にされた贈与も対象財産になります。
 

不相当な財産の売却など
通常の相場価格よりかけ離れた低い金額で売却したような場合には、相場の価格から実際の売却金額を差し引いた部分は、実質的な贈与と考えられます。
 

特別受益
相続人の中には、被相続人から特別な利益を得ていた者もいます。
たとえば、結婚や独立のための資金を援助してもらった場合や、1人のみ大学に行かせてもらった場合などは、特別受益に該当する可能性があります。
特別受益の場合には、「相続開始前1年間(死亡前1年間)にされた贈与」または、「相続人の遺留分が確保できないと知っていながら」と基準に関係なく算入されます。
すなわち、遺言では自由に財産をどなたかに相続させ、遺贈することができますが、遺留分権利者に対しては、最低限の財産を保障してあげないと、あとあと遺留分権利者から、遺留分を侵害しているので、一部私に返してください。と請求されかねないこととなってしまいます。
 

事例

父には、妻と子どもが一人います。父は『妻に全財産を相続させる』遺言を書きたいとします。父の財産は、自宅の土地・建物(3000万円)、現金600万円でした。
 

子どもの遺留分を計算してみると
遺留分 = 3,600万円(父の相続財産の総額) × 1/2(法定相続分) × 1/2(遺留分割合) = 900万円になります。
(ここでは、生前贈与や特別受益はなかったものとします。)
 

この事例で子どもが遺留分を侵害されているので、妻に対して遺留分相当の財産の請求をした場合、妻は子どもに900万円分の遺産を渡さなければなりません。現金が600万円しかありませんので、妻に300万円の現金がない場合には、自宅を売却しなければいけなくなる可能性もあり、妻は家が無くなり路頭に迷ってしまいます。

遺言を作成する場合には、以上の遺留分についても考慮した上で、内容を考える必要があるでしょう。具体的な対策として下記のような対策が考えられます。
 

1.遺留分の相当額を遺言にて相続(又は遺贈)させておく。

遺言により、子どもに現金600万円とその他財産や不動産持分を相続させることで遺留分以上の財産を子どもが相続した場合には、以後請求はできません。
 

2.遺留分を生前に放棄してもらう

生前に遺留分の放棄をする場合は、家庭裁判所の許可が必要となります。家庭裁判所に遺留分の放棄を許可してもらえば、子どもには遺留分がなくなりますので、遺言通りに相続させることができます。
なお、遺留分の放棄の申立ては、必ず許可が出るわけではなく、親が強要したとみられる場合(例えば、脅して遺留分放棄をさせた)や一方的に不利益の場合(例えば、遺産もまったく渡さずに遺留分の放棄をさせるような場合)には認められません。
 

3.生命保険を利用して遺留分に備える。

例えば父が保険料として600万円を使い、受取人を妻として死亡保険金800万円の生命保険に加入しておきます。現金600万円を保険料として支払うことで父の産総額が3,600万円から3,000万円に減少します。
(生命保険金や保険料は特別に過大でなければ、遺留分の算定基礎となる相続財産から外れます。)
 

子どもの遺留分を計算してみると
遺留分 = 3,000万円 × 1/2 × 1/2 = 750万円 と減少します。
万が一、子どもから遺留分を請求をされても妻は保険金の800万円から支払うことができます。




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